待つ

 大阪人はせっかちで、待たされるのが嫌い。例えば新大阪駅の構内にある立ち食いのうどん屋は、「きつねうどん1杯」とマイクでいって、お金を払いカウンターに行くと、商品が出てくるのとはタッチの差である。ドギマギしてしまう。
 梅田の大きい書店は八方に出入り口がある。これが性分にあっているのかいつもごったがえしている。店主は多分入店した客が必ず買ってくれたらいいのにと思っておられることであろう。出入り口が多いから待合い場所を指定するのに難儀していたが、携帯電話のおかげで悩みは解決。
 さて、待つということを、巧妙に活用しているのが東京ディズニーランドだという説がある。待たされている間に、すっかりその気分になって、ちょうど出来上がった頃に見るからいいので、つぎつぎ簡単に見られたら、あんなに流行らない?

     (嶽)   (2001年 大阪新聞より)

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