日本3秘湯

 日本の3秘湯はと聞かれれば、1.トカラ列島の鬼界ヶ島の「東温泉」、2.越後の「湯の平(たいら)温泉」、3.南八甲田の「谷地(やち)温泉」である。
1.は噴煙あげる硫黄岳の裾野にあり、眼前は紺碧の東シナ海で湯浴(ゆあ)みする気分満点である。
2.は新潟県と福島県の県境に横たわる飯豊連峰・北股岳への登山道中にある。原生林のなか、渓谷を眼前にしてカニ湯、石湯、湧湯の3つの素朴な露天風呂があり、45〜70度の硫黄泉が惜しげもなく流れ落ちている。羽越本線新発田駅から知人の車で1時間ほど走り、さらにブナ林の中を1時間半ほど歩く。
3.は青森県南八甲田にあり、400年の歴史を持つ湯治の温泉。泉質抜群で2種類の温泉が自然湧出している。女性湯は別にあるが、男性湯に女性侵入可。冬はテンが出没する。里人との語らいも楽しい一軒宿。

     (嶽)   (2001年 大阪新聞より)

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