お遍路さん

 四国88カ所巡りのお遍路さんが増えている。ウオーキング・ブームの影響もあるだろうが、四国霊場を巡る全道程約1450キロをすべて徒歩でめぐると、健脚の人で40日〜60日かかる。白装束で安い宿に泊まってもそれなりの費用と時間がかかる。
 それよりも遍路をしようと発心する「動機」が大事てある。よくよくの事情がなかったら、物見遊山や健康志向だけではつづかない。歩くことで何かを捨てる、癒す、さらに広大な世界に生かされたいなど、単純ではない。白装束そのものがすでに「死者」のいでたちである。
 今回は弘法さん(空海)誕生地・香川県の善通寺(75番)で朝6時からはじまる朝のお勤めに参り(ざっと100人ほどの参詣者がいた)、周辺を1日ぶらぶらした。旧軍隊練習場や自衛隊基地もあったが、弘法伝説がなぜどうして生まれるのか興味深かった。

     (嶽)   (2002年 大阪新聞より)

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