バンドネオンの源流と音楽の役割
バンドネオンについて その4-2
バンドネオン誕生
大橋 剛
ドイツではアコーデオンやバンドネオン等を総称して、ハーモニカと言います。口で演奏するのがムント・ハーモニカ、手で弾くのをハント・ハーモニカといった工合です。
1821年、ベルリンのフリートリッヒ・ヴッシュマンがムント・ハーモニカを考案し、さらに空気袋を付けたハンデオリーネを作りました。これがハント・ハーモニカの原型になりました。1829年、ウィーンで初めてハント・ハーモニカ(アコーデオンの原型)ができ、この楽器の名手、C.F.ウーリッヒがバスの部分を音楽的に向上させたKozertina―コンツェルティーナを作りました。(アイルランドのコンサーティーナとは同形異種)
1840年、ライン河畔クレーフェルトの音楽教師ハインリッヒ・バントはこの楽器の名手で、町の自身のオーケストラで用いていました。音の数54(後に76→押した時と引っ張った時の音の合計)で不自由を感じ、1846年、100の音の出る楽器を考案しました。これがバンドネオンと名付けられたのです。その後、さらに改良されて現在に至ります。
※参考文献 ペーター・フリース APOLLO出版Berlin