バンドネオンの源流と音楽の役割
バンドネオンについて その3 楽譜

大橋 剛


 バンドネオンの音の配列しっかりとした理論と構造でできていますが、ボタンの位置や押引によって異る音をスムーズにおぼえるために、各ボタンに対応する番号や記号(星・十字・三角等)が付いています。これらに押∧・引きЦの記号を楽譜に記入することで、演奏の便宜を図っています。これは後程出てきますコンツェルティーナ(Konzertina)というバンドネオンの原型も同様です。
 楽譜の読めない人達に広く愛好され、特に労働の慰めにドイツの鉱夫の人達に広まったため、「鉱夫のピアノ」とさげすんだ呼び方をされたこともありましたが、ドイツでは民俗・ダンス音楽・教会音楽に使用されました。アルゼンチンタンゴに使用され、ヨーロッパにタンゴが広まってからはタンゴに使用されるようになりましたが、フランスのミュゼット音楽も演奏されました。
 私の師のオットー・ヴィットの先生ヴァルター・ペルシュマンも多数のミュゼット音楽を作曲し演奏していました。

 

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