バンドネオンの源流と音楽の役割
バンドネオンについて その2 ボタン配列

大橋 剛


 バンドネオンの音の配列は、イ長調を基本に、人差指・中指・薬指・小指を自然に置いた所から、ドミソド(押した時)。同じボタンでシレファソ(引いた時)。以上右側、左側のバスの部分は、小指から同様に人差指を自然に置くと、ドソドミ(押した時)。同じボタンでソシレファ(引いた時)。両手を同時に押すと主和音が鳴り、引っ張ると属七の和音が出るように作ってあります。
 ト長調はそれに準じて、二長調は少し複雑な配列で引っ張った時が主和音、押した時が属七の和音とだんだん複雑になっていきます。
 ピアノのハ長調に比べると、バンドネオンは少し難しい指使いになっています。ドイツの教則では、ヴァイオリンと同様にイ長調から始まっていますが、これは一番やさしい指使いで演奏できるからです。
 アルゼンチンではこのようなシステムを使わず、ピアノ的な教則で、ドイツで考案された調によって押、引を考慮していないため、結果的に引っ張った奏法が8割を占めています。

 

もどる