なにわの詞(ことば)さがし

なにわことばのつどい 中井正明

 

“めぇ”
 昔からなにわの商家では突破で目が出るの洒落か?「十八メェ」と呼び、毎月18日に必ず食べる習慣があった。鹿尾菜(ひじき)に似た海藻で「海布(め)」が国語である。

“まったり” 
 大将、このきつねうどん「まったり」出来(デケ)とりまんなぁ。おおき〈に〉御馳走様(ゴツッオハン) こんな会話が嬉しい大阪辯の褒め詞。甘からず辛からず落ちついた最高の味加減を表す言葉で全(まった)きたりの訛か? お料理に一番使(ツコ)てほしい詞。

“しゃけ”
 「鮭」の事を大阪の人間はシャケと発音。サ行とシャ行の発音が入れ替わったもので他にも左官(シャカン)・仙人掌(シャボテン)・雑魚(ジャコ)・戯(ジャ)れる等がある。仏蘭西小唄(シャンソン)はシャンソンだがコレハナイ。

“てんこもり”
 お茶碗に飯などうず高く盛ること。平生(へいぜい)は出立の意味合いでこれを忌む……やめなはれ天こ盛りは!!お行儀の悪い……母親に怒(オコ)られた少年時代が懐かしいねェ。

「Osakaあらかると」VOL.29 より


 

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